※本記事は2026年9月20日時点の情報です。公演日程・会場・チケットに関する最新情報は、必ず公式サイトでご確認ください。
アイアン・メイデン(IRON MAIDEN)が、2026年11月にKアリーナ横浜で来日公演を行います。公式発表によると、バンド結成50周年を記念して2年にわたって続いてきたワールドツアー「RUN FOR YOUR LIVES WORLD TOUR 2026 FROM IRON MAIDEN TO FEAR OF THE DARK」の最終公演にあたり、1stアルバム『Iron Maiden』(1980年)から『Fear Of The Dark』(1992年)までの初期作を軸に構成されるツアーです。
ギターを弾く人にとってこのバンドが特別なのは、なんといってもギターが3本あること。ただ音が厚いのではなく、3人が「刻む」「ハモる」「歌う」を入れ替わりながら担当していきます。この記事では公演概要を公式情報で整理したうえで、トリプルギター編成の聴きどころと、練習に持ち帰れるポイントを現役プロ講師の視点で解説します。
「RUN FOR YOUR LIVES WORLD TOUR 2026」日本公演の概要
| 日程 | 会場 | 開場/開演 |
|---|---|---|
| 2026年11月24日(火) | Kアリーナ横浜 | 17:30/19:00 |
| 2026年11月25日(水) | Kアリーナ横浜 | 17:30/19:00 |
チケットは公式発表で全席指定。GOLD指定席30,000円、バルコニー指定席30,000円、SS指定席20,000円、S指定席17,000円、A指定席15,000円(いずれも税込)で、一般発売は2026年4月25日(土)からとアナウンスされています。未就学児(6歳未満)の入場は不可、6歳以上はチケットが必要です。販売状況は時期によって変わるため、購入前に公式の案内を確認してください。
※日程・会場・料金・チケットの販売状況は変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
▶ クリエイティブマン公式 公演情報ページ
出典:クリエイティブマン・プロダクション公式サイト/ギター・マガジンWEB
ギター3本は「厚み」ではなく「役割」でできている
アイアン・メイデンは、デイヴ・マーレイ、エイドリアン・スミス、ヤニック・ガーズという3人のギタリストを擁するトリプルギター編成です(エイドリアン・スミスの復帰により現在の3本体制になったことは、公演情報ページでも触れられています)。
ギターが3本あると聞くと「同じフレーズを3人で弾いて分厚くしている」と想像しがちですが、実際は逆です。多くの場面で1人が土台を刻み、2人がハモリやオブリガートを重ねる。そして曲が進むと担当が入れ替わる。だから音数のわりに音像がごちゃつかず、メロディがきちんと聴こえます。バンドでギターを弾く人にとって、これは非常に実用的な考え方です。
デイヴ・マーレイ:指で流れていくレガート系
デイヴ・マーレイのソロは、ピッキングよりも左手の運動量で形を作るタイプです。ハンマリング・プリングを多用して音と音のあいだをつなぎ、フレーズが途切れずに流れていく。速く聴こえるのにアタックが尖っていないのは、右手で全部を弾いていないからです。
レガート寄りの人は、左手だけで音量を出そうとして指板を叩いてしまいがちです。ポイントは「強く叩く」ではなく「弦を押さえたまま指を素早く離す」こと。プリングで音が痩せる人は、離し際に横方向へ少し弾いてやると粒が揃います。
エイドリアン・スミス:組み立てられたメロディとベンド
対照的に、エイドリアン・スミスは「歌えるソロ」を作る人です。フレーズの頭とお尻がはっきりしていて、チョーキング(ベンド)で山場を作る。音数は多くないのに印象に残るのは、ロングトーンとビブラートに時間を使っているからです。
ここは初心者〜中級者がいちばん真似しやすい部分でもあります。速いフレーズを増やすより、1音を狙った音程まで正確に上げ切るほうが、ソロは劇的に上手く聴こえます。音程の基準が分からないときは、スケールの中での位置関係から考えると早いです(マイナースケールとは|3種類の違いと使い方を現役プロ講師が解説)。
ヤニック・ガーズ:勢いとラフさで温度を上げる
ヤニック・ガーズは、きれいに整えるよりもその場の勢いを持ち込むタイプ。荒っぽく聴こえる瞬間があっても、それがライブの温度を上げています。3人が同じ方向性だったらここまで面白くはならない、という好例です。
ライブで注目したい3つのポイント
① 右手が止まらない「ギャロップ」のリズム
このバンドの代名詞が、馬が駆けるような3連系のバッキング、いわゆるギャロッピングです。ブリッジミュートをかけたまま「ダウン・ダウンアップ」を延々と繰り返すため、右手のスタミナと粒の均一さが問われます。会場では、ギタリストの右手首の振り幅がほとんど変わらないことに注目してみてください。
土台になるのはパワーコードのフォームです(パワーコードとは|押さえ方とコツを現役プロ講師が解説)。
② 3度・6度で重なるハモリ
メイデンといえばツイン(トリプル)リードのハモリ。これは感覚だけで作られているわけではなく、キーのスケール上で3度または6度ぶん離れた音を並べるという明確なルールがあります。スケール内で重ねるので、どこを弾いても曲のキーから外れません。
仕組みを理解したい方は、まずキーとダイアトニックの関係を押さえておくと一気に見通しが良くなります(ダイアトニックコードとは|7つのコードを現役プロ講師が解説)。
③ ソロが3人でリレーされていく構成
長尺の曲では、ソロが3人のあいだで受け渡されていきます。同じキー・同じスケールの中を弾いているのに、レガート主体、ベンド主体、勢い主体とキャラクターが変わる。「同じ材料でも弾き手によって別物になる」という当たり前のことを、これほど分かりやすく示してくれるバンドはそう多くありません。
なお、ソロで音が前に出てくるのはアンプの歪みを上げているからではなく、多くの場合ブースターで音量と質感を持ち上げています(ブースターとは|ソロで埋もれない使い方を現役プロ講師が解説)。
練習に持ち帰れること
- ギャロップは遅いテンポから:いきなり原曲の速さで練習しても、右手のフォームが崩れたまま固まります。メトロノームで「崩れない最速」を見つけ、そこから5ずつ上げるのが結局いちばん速い(BPMとメトロノームの使い方|練習手順を現役プロ講師が解説)。
- ハモリは自分で作ってみる:好きな単音メロディを1本決めて、スケール上で3度上を並べてみる。実際に手を動かすと、理屈が一度で身体に入ります。
- 1音のチョーキングを磨く:速さより音程。狙った高さまで上げ切って、そこで止めて、ビブラートをかける。これだけでソロの説得力は変わります。
まとめ
アイアン・メイデンの来日公演は2026年11月24日(火)・25日(水)、Kアリーナ横浜。結成50周年ワールドツアーの最終公演として、初期作を中心にしたセットが予定されています。
聴きどころは、速弾きの派手さよりも3本のギターの役割分担と、止まらない右手、そしてスケール上でのハモリの組み立て方です。ライブを観て「自分でもやってみたい」と思ったら、まずはミュートをかけた8分の刻みを一定の速さで続けるところから始めてみてください。そこが、この音楽のすべての入口になります。
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