この記事は2026年8月30日時点の情報です。Mr. Big/Racer Xでの活動で知られるギタリストポール・ギルバート(Paul Gilbert)が、2026年10月に約7年ぶりとなる単独来日ツアーを開催します。東京2公演・大阪1公演の全3公演です。

ポール・ギルバートは「速く弾けるギタリスト」として語られがちですが、レッスンで生徒さんと一緒に聴くと、面白いのはむしろ1音ずつの粒立ちと、フレーズの組み立て方の分かりやすさです。この記事では公演概要を公式情報に沿って整理したうえで、ギターを弾く人がライブで何を聴くと持ち帰りが多いのかを、現役プロ講師の視点で解説します。

PAUL GILBERT 2026 来日公演の概要

ツアーは2026年10月21日・22日の東京公演からスタートし、10月23日の大阪公演で全日程を終えます。会場はいずれもライブハウス規模で、ステージとの距離が近いのが特徴です。

日程都市会場開場/開演
10月21日(水)東京Shibuya WWW X18:00/19:00
10月22日(木)東京Shibuya WWW X18:00/19:00
10月23日(金)大阪Yogibo META VALLEY18:00/19:00
PAUL GILBERT 2026 公演スケジュール(ウドー音楽事務所の公式発表より)

チケットはスタンディング12,000円(税込・入場整理番号付/別途ドリンク代が必要)、ミート&グリートなどを含むVIPパッケージが50,000円(税込)と発表されています。

※日程・会場・料金・チケットの残席状況は変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトでご確認くださいウドー音楽事務所 公式公演ページ/参考:ギター・マガジンWEBBillboard JAPAN

ポール・ギルバートというギタリスト

1980年代にRacer Xで頭角を現し、その後Mr. Bigのギタリストとして世界的な人気を獲得したアメリカのギタリストです。日本での知名度も非常に高く、Mr. Bigとしての2023年7月の来日公演「The BIG Finish Tour」は記憶に新しいところですが、ソロ名義での単独来日は約7年ぶりとなります。

もう一つ見逃せないのが、彼が教える側のキャリアも長いという点です。若くしてMusicians Institute(GIT)で学び、のちに講師も務めた経歴があり、教則作品でも「なぜそう弾くのか」を言葉にする力に定評があります。演奏がロジカルで、聴いていて手の動きが想像しやすいのはそのためです。ギターを練習している人にとっては、これがそのまま学習効率につながります。

ライブで聴きたい3つのポイント

1. オルタネイトピッキングの「粒の揃い方」

速いフレーズを聴くと、つい「何連符か」に耳が行きます。ですが本当に注目すべきはすべての音の音量と長さが揃っているかです。ポール・ギルバートの速いパッセージは、大音量のライブでも一音一音が団子にならず、輪郭を保ったまま聴こえます。

これはピックの当たる角度と深さが安定しているからで、速さは結果として付いてくるもの。練習でも「速く弾く」より先に「遅いテンポで粒を揃える」が正解だと、ライブを聴くと納得できるはずです。

2. 弦をまたぐフレーズ(ストリング・スキッピング)

隣の弦ではなく1本飛ばして弾く動きは、彼のフレーズの大きな特徴です。音の跳躍が大きくなるので、スケールを順番になぞるフレーズとはまったく違う、開けた響きになります。

聴きどころは、飛ばした弦が鳴っていないこと。右手の手のひらと左手の余った指で、鳴らさない弦をきちんと止めているから、跳躍が気持ちよく聴こえます。速さより先にこの「消音」を身につけると、自分の演奏も一気に整理されます。

3. 歌に寄り添うヴィブラートとリフの重さ

今回のツアーは、彼自身がヴォーカルも担当するステージになる見込みです。歌う人がギターを弾くとき、ソロの節回しは自然と歌のフレーズに近い長さになります。伸ばした音のヴィブラートの速さ・深さが、その場の歌の温度に合わせて変わる瞬間があれば、そこが一番の聴きどころです。

また、リフの重さも見どころ。歪ませすぎずミドルを残した音は、コードの動きが濁らず、バンドの中で埋もれません。「歪みは足すより引く」という発想は、自宅アンプの音作りにもそのまま応用できます。

最新作『WROC』を携えたツアー

今回の来日は、2026年2月27日にリリースされたアルバム『WROC』を携えたツアーとして発表されています。2016年の『I Can Destroy』以来、約10年ぶりに全曲でヴォーカルを担当した作品で、タイトルはジョージ・ワシントンが若い頃に書き写したとされる礼儀作法の書『Washington’s Rules of Civility』に由来するという、かなり異色のコンセプトです(出典:ソニーミュージック公式サイト)。

再び歌モノに戻ってきたということは、ソロがより「曲の一部」として鳴るということでもあります。歌とギターの受け渡しに耳を向けると、当日の情報量がぐっと増えます。

ライブを「練習の材料」に変えるコツ

レッスンでよくお伝えしているのは、ライブの翌日にギターを触るということです。感動が残っているうちに手を動かすと、耳で覚えた音の質感が演奏に乗りやすくなります。

  • 1つだけ持ち帰る:全部真似しようとせず、「粒の揃い方」など課題を1つに絞る
  • テンポを落とす:憧れたフレーズは、まず半分の速さで“音の長さ”を揃えて弾く
  • 音作りをメモする:歪みの量、トーンの明るさなど、印象を言葉にして残しておく

速いフレーズに憧れて練習を始めた方ほど、実は右手のピッキングと消音でつまずいています。ここは自分では気づきにくい部分なので、客観的に見てもらうと解決が早い領域でもあります。

まとめ

PAUL GILBERT 2026 来日公演は、2026年10月21日・22日の東京(Shibuya WWW X)と、10月23日の大阪(Yogibo META VALLEY)の全3公演。ソロ名義では約7年ぶりの単独来日です。

ギターを弾く人にとっての聴きどころは、オルタネイトピッキングの粒の揃い方弦をまたぐフレーズと消音歌に寄り添うヴィブラートと引き算の歪みの3点。この視点を持って行くだけで、同じ2時間から持ち帰れるものが変わります。

チケットの発売状況や当日の詳細は変わる可能性がありますので、公式サイトで最新情報をご確認ください。

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