※本記事は2026年11月8日時点の情報です。公演日程・会場・チケットに関する最新情報は、必ずクリエイティブマン公式の公演ページでご確認ください。
ジョン・ライドン率いるPUBLIC IMAGE LTD.(パブリック・イメージ・リミテッド/PiL)が、2027年2月に愛知・大阪・神奈川・東京を回る来日ツアー『THIS IS NOT THE LAST TOUR』を開催します(クリエイティブマン公式)。
PiLは「ポストパンク」というジャンルの出発点ともいえるバンド。ギターがコードをかき鳴らして曲を引っぱるのではなく、ベースとドラムの上に、鋭く削った音色を“置いていく”独特のアンサンブルが特徴です。この記事では公演概要を整理したうえで、PiLのギターの聴きどころと、練習に持ち帰れるポイントを現役プロ講師の視点で解説します。
PiL『THIS IS NOT THE LAST TOUR』来日公演の概要
クリエイティブマン公式の公演ページに掲載されている日程は次のとおりです。
| 日程 | 会場 | 開場/開演 |
|---|---|---|
| 2027年2月3日(水) | 愛知 DIAMOND HALL | 18:00/19:00 |
| 2027年2月5日(金) | 大阪 なんばHatch | 18:00/19:00 |
| 2027年2月7日(日) | 神奈川 横浜 BAYHALL | 17:00/18:00 |
| 2027年2月8日(月) | 東京 TOYOSU PIT | 18:00/19:00 |
チケットは愛知・神奈川・東京がオールスタンディング14,000円、大阪が1Fスタンディング14,000円/2F指定席16,000円(いずれも税込・ドリンク代別、公式発表)。公式ページによると、横浜BAYHALL公演はすでにSOLD OUTとなっており、その他の公演は発売中です(2026年11月8日時点)。未就学児は入場不可です。
※最新情報は公式サイトでご確認ください。来日メンバーについても公式発表をご確認ください。
PiLのギタリスト、ルー・エドモンズとは
2009年の再始動以降、PiLのギターを担っているのがルー・エドモンズです。クリエイティブマンの過去の公演ページでも紹介されているとおり、彼は元ダムドのギタリストで、複数の楽器をこなすマルチプレイヤー。1986年にPiLへ加入してアルバム『Happy?』のレコーディングに参加し、『9』では共作者として作曲にも関わっています(クリエイティブマン 2018年来日公演ページ)。
パンクの第一世代から活動してきた人ですが、そのギターは「速く・大きく・歪ませる」パンクのイメージとはかなり違います。音数は少なめで、ひとつの音色・ひとつのフレーズの“存在感”で勝負するタイプ。PiLの初期を作ったギターの方法論(金属的で硬い音色、反復するフレーズ)を受け継ぎつつ、より太く、ライブ映えするサウンドに仕上げているのが特徴です。
PiLのギターの聴きどころ3つ
1. 主役はベース、ギターは「色」を塗る
PiLのアンサンブルでは、重く反復するベースラインとドラムが曲の骨格を作ります。ギターはそこにコードで“和音の土台”を敷くのではなく、高音域の短いフレーズやノイズ的な響きで曲の色合いを決める役割を担います。ライブではぜひ、ベースが鳴っている帯域とギターが鳴っている帯域がきれいに分かれていることに耳を向けてみてください。
2. 開放弦を混ぜた“鳴りっぱなし”の響き
ポストパンク系のギターでよく使われるのが、押さえた音と開放弦を同時に鳴らし、ぶつかり合う響き(ドローン)を作る手法です。きれいに整ったコードではなく、少し不穏で緊張感のある響きが、ライドンの歌の切迫感を支えています。フレーズそのものより、音が伸びている間の“響きの変化”を聴くのがポイントです。
3. 空間系エフェクトで「壁」を作る
音数が少ないぶん、コーラスやディレイ、リバーブといった空間系の使い方が音像を大きく左右します。同じフレーズでも、残響の長さや揺れ方で印象がガラッと変わるのがPiLのギターの面白さ。大きな会場ほど、ギター1本で空間を埋めていく様子がよく分かります。
ライブで注目したいポイント
- 右手の動き:ジャカジャカと全弦を鳴らすより、狙った弦だけを鋭く弾く場面が多いはず。ピッキングの「強さの差」に注目
- 弾いていない時間:ギターがあえて鳴らない瞬間が、ベースとボーカルを際立たせます。休符も演奏の一部です
- 音色の切り替え:曲ごと、場面ごとにどこまで歪ませ、どこまで残響を足すか。エフェクターの踏み替えのタイミングもチェックポイント
- 東京公演は会場にも注目:TOYOSU PITはスタンディング中心の大型ライブハウス。低音の“圧”を体で感じられる位置で聴くのもおすすめです
PiLのギターから練習に持ち帰れること
PiLのような「引き算のギター」は、実は初心者〜中級者の練習テーマとしてとても優秀です。レッスンでも、コードを覚えた段階の生徒さんに「全部の弦を鳴らさない」練習を取り入れると、バンドでの音の抜けが一気に良くなることがよくあります。
- 1〜2弦だけで伴奏してみる:好きな曲のコードを、高音側の2本の弦だけで弾いてみましょう。ベースとぶつからない“抜ける音”の感覚がつかめます
- 開放弦を1本足して鳴らしっぱなしにする:1弦や2弦の開放を鳴らしたまま、隣の弦で音を動かすと、簡単にドローン的な響きが作れます
- ミュートで休符をはっきり作る:弾かない瞬間に余計な音が鳴らないよう、左右の手でしっかりミュート。リズムの切れが格段に良くなります
- 空間系は“少しずつ足す”:ディレイやリバーブはかけすぎると輪郭がぼやけます。原音がはっきり聴こえる範囲から試すのがコツです
まとめ
PiLの来日ツアー『THIS IS NOT THE LAST TOUR』は、2027年2月3日(水)愛知DIAMOND HALL、5日(金)大阪なんばHatch、7日(日)横浜BAYHALL(SOLD OUT)、8日(月)東京TOYOSU PITの4公演。チケットの販売状況などは公式サイトで最新情報を確認してください。
速弾きや派手なソロとは違う、音色と空間でバンドを支えるギター。ギターを弾く人ほど「こんな役割の果たし方があるのか」と発見の多いライブになるはずです。ポストパンクやオルタナが好きな方はもちろん、バンドで自分のギターの居場所に悩んでいる方にもぜひ観てほしい公演です。
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