ギターの指板を見て「今押さえているこの音は、何という音なのか」を答えられるでしょうか。答えは、たった3つのルールで導けます。1フレットは半音、開放弦の音は6弦から順にE・A・D・G・B・E、そして12フレットで1オクターブ上の同じ音名に戻る——この3点さえ押さえれば、指板のどこでも音名を割り出せます。
音名が分かると、コードの根音(ルート)を自分で探せるようになり、パワーコードやバレーコードを好きなキーに移せるようになります。この記事では、ドレミとCDEFGABの対応から、指板上で音名を見つける手順、覚える順番までを整理します。
音名とフレットの関係とは(仕組み)
ドレミとCDEFGABは同じ音を指している
「ドレミファソラシ」はイタリア語の音名、「CDEFGAB」は英語の音名で、どちらもまったく同じ音を別の言葉で呼んでいるだけです。日本語音名の「ハニホヘトイロ」も同じ7音を指します。対応は、ド=C、レ=D、ミ=E、ファ=F、ソ=G、ラ=A、シ=Bです。
ギターで英語音名が重要なのは、コードネームがすべて英語音名で書かれているからです。Cというコードの中心にある音はC(ド)、Amの中心にある音はA(ラ)です。つまり指板上でCの位置が分かれば、Cのコードをどこで鳴らせるかも見えてきます。
1フレット=半音、12フレットで1オクターブ
ギターは、フレットを1つ移動するたびに音が半音ずつ変わる楽器です。半音が12個集まると1オクターブになるため、同じ弦の12フレットは、その弦の開放弦とちょうど1オクターブ違いの同じ音名になります。6弦の開放弦がE(ミ)なら、6弦12フレットもE(ミ)です。
ここで見落としやすいのが、ミとファの間、シとドの間だけが半音だという点です。ドレミファソラシドの並びは、全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音でできています。そのため6弦では、開放E(ミ)の隣の1フレットがF(ファ)になり、そこからG(ソ)までは2フレット離れます。この2か所だけが例外だと覚えておくと、指板の音名が一気に整理されます。
6本の開放弦の音名
標準チューニング(レギュラーチューニング)では、太い6弦から細い1弦に向かって、E・A・D・G・B・Eの順に並びます。ドレミで言えば、ミ・ラ・レ・ソ・シ・ミです。6弦と1弦がどちらもEで、2オクターブ離れているのが特徴です。すべての音名探しはこの6つの音が出発点になるので、まずここだけは口に出して覚えてしまいましょう。
指板で音名を見つける手順
実際に音名を割り出す手順は、次の3ステップです。
- その弦の開放弦の音名を確認する(6弦ならE)
- そこから1フレットずつ半音上げて数える
- ミ→ファ、シ→ドの2か所だけは1フレットで進むことに注意する
6弦を例にすると、開放がE、1フレットがF、3フレットがG、5フレットがA、7フレットがB、8フレットがC、10フレットがD、12フレットで再びEに戻ります。5弦は開放がAで、3フレットがC、5フレットがD、7フレットがE、10フレットがG、12フレットがAです。
数える途中に出てくる「間の音」は、シャープ(♯)やフラット(♭)が付いた音です。たとえば6弦1フレットのFの次、2フレットはF♯(ファのシャープ)です。同じ音をG♭と呼ぶこともありますが、初めのうちは「7音の間にもう5音ある」程度の理解で問題ありません。
なお、多くのギターには3・5・7・9・12フレットあたりにポジションマーク(ドット)が付いています。この目印と音名をセットで覚えると、視線を落とさずに位置を判断できるようになります。
練習での活かし方と覚える順番
まずは6弦と5弦だけを覚える
指板全体を一度に覚えようとすると、ほぼ確実に挫折します。おすすめは、6弦と5弦の12フレットまでを先に覚えることです。この2本にはコードの根音が集中しているため、覚えた瞬間から実践で使えます。
たとえばパワーコードは、根音の位置さえ分かれば形は同じまま移動できます。6弦5フレットのAを根音にすればA、8フレットのCを根音にすればCのパワーコードです。バレーコードも同じで、Fの形を6弦のどのフレットに置くかで、コード名がそのまま決まります。
オクターブの形で他の弦へ広げる
6弦と5弦を覚えたら、オクターブの位置関係を使って4弦・3弦に広げます。6弦から見て「2本細い弦(4弦)の2フレット高い位置」が、同じ音名の1オクターブ上になります。6弦5フレットのAなら、4弦7フレットも同じAです。この形を1つ覚えるだけで、覚える量を実質半分にできます。
1日3分の音名クイズ
効果的なのは、ギターを構えたときに毎回「今日の音」を1つ決め、6弦から1弦まで、その音がある場所をすべて探す練習です。今日はC、明日はGといった具合に日替わりにすれば、1〜2週間で主要な音名は身につきます。声に出して音名を言いながら弾くと、定着がさらに早くなります。
よくある失敗と注意点
ミ→ファ、シ→ドを2フレット分と数えてしまう。これが最も多いつまずきです。この2か所だけは1フレットしか離れていません。ここを間違えると、それ以降の音名がすべて1フレットずつずれてしまいます。
チューニングが狂ったまま覚えようとする。音名は開放弦を基準に数えるため、チューニングが合っていなければ前提が崩れます。練習前には必ずチューナーで合わせてください。
カポを付けたまま指板の音名を数える。カポタストを付けると、実際に鳴っている音はカポの位置ぶんだけ上がります。音名を覚える練習をするときは、カポを外した状態で行いましょう。
紙の上だけで暗記しようとする。指板図をながめるだけでは、実際に弾くときに手が動きません。必ずギターを持ち、音を鳴らしながら音名を口に出すことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
ギターの音名は、ドレミと英語のどちらで覚えるべきですか?
結論から言うと、英語音名(CDEFGAB)で覚えることをおすすめします。ギターのコードネームはC・Am・G7のように英語音名で書かれているため、英語で覚えておくと「Cのコードの根音はC=ド」というつながりが一目で分かるからです。ドレミ(イタリア語音名)は音の高低を口ずさむときに便利なので、両方を対応づけて覚えておくのが理想です。最初のうちは、ドがC、レがD、ミがE、ファがF、ソがG、ラがA、シがBという対応表を手元に置いておけば十分です。
指板の音名は、全部暗記しないといけませんか?
全フレットを一度に暗記する必要はありません。実際のレッスンでも、まずは6弦と5弦の音名だけを覚えてもらうことがほとんどです。この2本を覚えるとパワーコードやバレーコードの位置をすぐ決められるようになり、練習の効率が大きく変わります。残りの弦は、12フレットで同じ音名が1オクターブ上になる規則や、オクターブの形を使って後から埋めていけば、丸暗記せずに広げていけます。
ミとファ、シとドの間だけ音の間隔が狭いのはなぜですか?
西洋音楽の音階(メジャースケール)が、そもそも全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音という並びでできているためです。ドレミファソラシドのうち、ミとファの間、シとドの間だけが半音になります。ギターではこれが「1フレット分しか離れていない」という形で指板に現れるため、6弦の開放E(ミ)の1フレットがF(ファ)になります。ここを見落とすと音名が1フレットずつずれてしまうので、最初に押さえておきたいポイントです。
まとめ
音名とフレットの関係は、1フレット=半音、開放弦はE・A・D・G・B・E、12フレットで1オクターブ、という3点に集約されます。加えて、ミ→ファとシ→ドだけが半音だという例外を押さえれば、指板のどこにいても音名を割り出せます。
まずは6弦と5弦の12フレットまでに絞り、1日3分の音名クイズから始めてみてください。コードの根音が自分で探せるようになると、コード譜をなぞるだけの段階から、自分で音を選べる段階へと確実に進めます。
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