度数とは、音と音の距離を数字で表したものです。コードもスケールも度数で説明できるため、これを覚えると丸暗記する量が一気に減ります。まずは「1度・3度・5度」の3つだけ押さえれば、コードの仕組みが見えてきます。
度数とは|音と音の距離を数字で表す
度数は、基準になる音(ルート)から数えて何番目にあるかを示す数字です。基準の音そのものを1度として数え始めるのがポイントで、ここを間違えると全部ずれます。
ドの音を1度とすると、レが2度、ミが3度、ファが4度、ソが5度、ラが6度、シが7度、1つ上のドが8度(オクターブ)になります。「ドの1つ上だからレは1度」ではなく、「ドから数えて2番目だからレは2度」です。階段の段数ではなく、段の番号を数えるイメージだと間違えにくくなります。
さらに、同じ3度でも明るく響くものと暗く響くものがあります。ドから見たミは「長3度」、ドから見たミ♭は「短3度」です。数字だけでは足りず、長い(メジャー)か短い(マイナー)かの区別が付くことで、はじめて響きが決まります。
- 1度・4度・5度・8度 … 「完全」で表す(完全5度など)
- 2度・3度・6度・7度 … 「長/短」で表す(長3度・短3度など)
- 同じ数字でも、半音1つの差で響きの明暗が変わる
指板での数え方|フレットで覚える
ギターは、度数をフレットの数に置き換えられる楽器です。同じ弦の上で数えると、次のようになります。
- 長2度=2フレット上
- 短3度=3フレット上
- 長3度=4フレット上
- 完全4度=5フレット上
- 完全5度=7フレット上
- オクターブ=12フレット上
実際の演奏で頻繁に使うのは、隣り合った弦での位置関係です。完全5度は「1本細い弦の2フレット上」、オクターブは「2本細い弦の2フレット上」という形で覚えられます。ただし2弦と3弦の間だけは、ギターのチューニングの都合で1フレットぶんずれるので、そこだけ例外として押さえておいてください。
パワーコードは、この完全5度の形そのものです。ルートと5度しか鳴らしていないため、明るいとも暗いとも決まらない響きになります。ロックで幅広く使われるのは、この「どちらにも属さない」性質があるからです。
練習での活かし方|コードの仕組みが見えてくる
度数がわかると、コードは「押さえ方の絵」ではなく「音の組み合わせ」として見えるようになります。
- メジャーコード=1度+長3度+完全5度。明るく響きます。
- マイナーコード=1度+短3度+完全5度。3度を半音下げただけで暗く響きます。
- パワーコード=1度+完全5度。3度がないので明暗が決まりません。
メジャーとマイナーの違いが、たった半音1つ、3度の音だけで決まっているとわかると、コードチェンジのときにどの指を動かせばいいかが理屈で見えてきます。丸暗記していたフォームの理由が繋がる瞬間です。
移調やカポの計算にも直結します。キーが変わっても度数の関係は変わらないため、「このキーではこのコード」という対応を1つずつ覚え直す必要がなくなります。歌の伴奏でキーを上げ下げする場面が多い方ほど、効果を実感しやすい知識です。
よくある失敗と注意点
- 0から数えてしまう:基準の音が1度です。0度は存在しません。
- 数字だけで判断する:3度・6度・7度には長短があります。数字が同じでも響きは別物です。
- 完全と長短を混同する:5度に「長5度」という言い方はしません。1・4・5・8は完全で表します。
- 2〜3弦間のズレを忘れる:指板の形で覚えるときの最大の落とし穴です。
- 一度に全部覚えようとする:まずは長3度・短3度・完全5度・オクターブの4つで十分実用になります。
特に多いのが、理論を体系的に学ぼうとして途中で止まってしまうパターンです。度数は覚えてから使うものではなく、自分が弾いているコードを説明するために少しずつ使っていくものだと考えてください。手元にあるコードを1つ分解してみるほうが、ページを読み進めるより理解が定着します。
よくある質問(FAQ)
度数と音程は同じ意味ですか?
ほぼ同じ意味で使われます。厳密には「音程」が2つの音の隔たりそのものを指す言葉で、「度数」はそれを1度・3度・5度といった数字で表した呼び方です。実際の会話では「3度の音」「5度上」のように度数で言い表すことがほとんどなので、まずは度数の数え方を覚えれば困りません。英語では interval(インターバル)と呼び、洋書や海外の教則動画ではこちらの表記が使われます。
「完全5度」の「完全」とは何ですか?
度数には、長短で区別するものと、完全と呼ぶものの2種類があります。1度・4度・5度・8度(オクターブ)は「完全」、2度・3度・6度・7度は「長/短」で区別します。完全と呼ばれる音程は、響きの濁りが少なく、メジャーでもマイナーでも同じ形で使われるのが特徴です。パワーコードが明るくも暗くも聴こえないのは、ルートと完全5度という、長短の区別を持たない音だけでできているためです。
度数を覚えると何ができるようになりますか?
大きく3つあります。1つ目はコードの丸暗記から解放されること。メジャーコードは1度・長3度・完全5度という構造がわかれば、押さえ方の理由が見えてきます。2つ目は移調が楽になること。キーが変わっても度数の関係は変わらないので、カポを付けたときや女性キーに合わせるときの計算が速くなります。3つ目は耳コピの精度が上がることです。音名を1つずつ探すのではなく、ルートからの距離で当たりをつけられるようになります。
まとめ
度数は、ルートから数えて何番目かを表す数字で、1度・4度・5度・8度は「完全」、2度・3度・6度・7度は「長/短」で区別します。メジャーコードとマイナーコードの違いは3度の半音1つだけ、パワーコードに明暗がないのは3度を含まないから。こうした仕組みが度数ひとつで説明できるようになります。まずは長3度・短3度・完全5度・オクターブの4つを指板の形で覚え、いま弾いているコードを分解するところから始めてみてください。コードが覚えられないと感じている方ほど、暗記より仕組みから入るほうが近道です。
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