※本記事は2026年8月28日時点で公開されている情報をもとに構成しています。仕様・価格・入荷状況は変更される場合がありますので、最新情報は必ず公式サイト・販売店でご確認ください。

ファズの代名詞ともいえるElectro-Harmonixの「Big Muff Pi」に、大幅に機能を拡張した新モデル「Deluxe Big Muff Pi 2」が登場しました。国内では2026年8月22日に発売がアナウンスされています。

結論から言うと、この新型の肝は「フットスイッチで踏み替えられるパラメトリックMIDS」「3段階のWICKERスイッチ」、そして「BLENDとノイズGATE」の3点です。従来のBig Muffが抱えていた”バンドの中で音が引っ込む””ノイズが乗る”という2大課題に、正面から手を入れたモデルと言えます。

この記事では、現役プロ講師の立場から、スペックの読みどころと「実際のバンド演奏でどう効いてくるのか」を解説します。

Deluxe Big Muff Pi 2 の概要

まずは公式に発表されている情報を整理します。

製品名Deluxe Big Muff Pi 2
メーカーElectro-Harmonix(エレクトロ・ハーモニックス)
種類ファズ/ディストーション/サステイナー
回路デュアル・オペアンプを2基使用したBig Muff Pi回路(公式発表)
国内発売2026年8月22日(国内販売店アナウンス)
価格米国ストリートプライス 188.20ドル(公式発表)/国内価格は販売店により異なります
電源9V電源アダプター付属

※日程・価格・仕様は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください
出典:Electro-Harmonix 公式サイトギタセレ(島村楽器)製品ニュース

注目ポイント①:フットスイッチで切り替わるパラメトリックMIDS

今回いちばんの目玉が、独立したフットスイッチを持つMIDSセクションです。MIDS FREQ(持ち上げる/削る中域の周波数)とMIDS LEVEL(その量)に加え、Q(帯域の広さ)をHi/Loで切り替えられます。

なぜこれが重要かというと、オリジナルのBig Muff系サウンドは中域が大きくへこんだ「ドンシャリ」が特徴だからです。ひとりで弾くと分厚く気持ちいいのに、バンドで鳴らすとベースとドラムに埋もれて聴こえない——これはファズ初心者がほぼ必ず通る壁です。

Deluxe Big Muff Pi 2では、この中域を「必要なときだけ足で持ち上げる」ことができます。バッキング中はクラシックなドンシャリ、ソロに入る瞬間に踏んで中域をブースト——という使い分けが、1台のペダルで完結するわけです。Qを狭く(Hi)すればピンポイントに芯を足せますし、広く(Lo)すれば全体の押し出しが変わります。

注目ポイント②:3段階のWICKERスイッチ

「WICKER」はEHXが以前から一部モデルに搭載してきた、高域のフィルターを開けて抜けとジャリッとした質感を足す機構です。今回は3ポジションのスイッチになり、段階的に選べるようになりました。

Big Muffの音は、こもり気味の「ウーリー」な方向に振ると分厚くなる反面、コードの輪郭が溶けやすくなります。WICKERで高域を開けてやると、同じ歪み量のままアタックの粒立ちが戻ってくる。TONEノブだけでは届かなかった質感の調整ができるのが利点です。

注目ポイント③:BLENDとノイズGATE

BLENDは原音(ドライ)と歪んだ音(ウェット)の混ぜ具合を決めるノブです。ファズは原音の情報がごっそり潰れる分、低音の輪郭やピッキングのニュアンスが失われがち。BLENDで原音を少し戻すと、歪みの厚みは保ったままアタックとローの芯が残ります。ダウンチューニングや7弦を使う人ほど効果を実感しやすい機能です。

GATEは、弾いていない間のノイズを抑えるためのノブ。ファズは構造上ノイズが大きく、ハイゲインで使うと休符が「サーッ」と鳴り続けます。ゲートの深さを調整できることで、リフの隙間をきちんと無音にできる。ライブでもレコーディングでも扱いやすくなります。

さらにEXP端子を備え、エクスプレッションペダルやCVコントローラーでMIDS FREQをリアルタイムに動かせます。バイパス用フットスイッチはラッチ/モーメンタリー両対応で、踏み続けている間だけファズがかかる”瞬間芸”的な使い方も可能です。

そもそもBig Muffとは:講師が伝えたい前提知識

Big Muff Piは1970年代からロックの歴史を作ってきたファズの定番です。長いサステインと壁のような分厚さが持ち味で、オルタナティヴロック、シューゲイザー、グランジ、ストーナーなど幅広いジャンルで使われてきました。

レッスンでよく聞かれるのが「ディストーションとファズはどう違うんですか?」という質問です。ざっくり言えば、ディストーションが波形を”削って”歪ませるのに対し、ファズは波形をほぼ矩形波まで潰し切る。だから音がつぶれて毛羽立ち、音量が下がってもサステインが伸び続けます。この違いを知らずに「歪めばどれも同じ」と選ぶと、狙った曲の音に一生たどり着けません。

導入前にチェックしたい実践ポイント

  • アンプはクリーンで受ける:ファズは歪んだアンプに突っ込むと収拾がつかなくなります。まずアンプをクリーン寄りにして、ペダル側で歪みを作るのが基本です。
  • ワウやバッファの前後関係に注意:ファズは接続順の影響を強く受けるエフェクターです。特にワウとの並び、ボードのバッファ位置で音が大きく変わります。
  • SUSTAINは上げ切らない:フルにすると迫力は出ますが、コードの分離が消えます。バンドで使うなら9〜12時付近から探るのが現実的です。
  • MIDSは「ソロ用」に振っておく:常時オンではなく、聴かせたい場面のためのスイッチとして設定しておくと使い分けが明確になります。

どんな人に向いているか

Big Muffの音は好きだが「バンドで埋もれる」「ノイズがつらい」で手放した経験がある人には、今回の拡張はそのまま解決策になります。逆に、初めての歪みペダルを1台選ぶ段階の方には、オーバードライブやディストーションから入るほうが遠回りになりません。ファズは「特定の音像を狙って選ぶ」タイプのエフェクターだからです。

当教室のレッスンでも、生徒さんが持ち込んだペダルを実際につないで、アンプ設定と接続順から音作りを一緒に組み立てています。機材は「買ってから使いこなすまで」が本番です。

まとめ

Deluxe Big Muff Pi 2は、往年のBig Muffサウンドを土台にしながら、MIDS・WICKER・BLEND・GATEという4つの現代的な武器を足したモデルです。特にフットスイッチ式のパラメトリックMIDSは、「ファズはバンドで使いにくい」という長年の常識を変える可能性があります。ファズに一度挫折した人ほど、試す価値のある1台です。

🎸 東京・新宿でギターを習うなら

紅白出場クラスの現役アーティストやプロの作編曲家、ギター講師までが習いに来る完全マンツーマンのギター教室です。初心者の方も、レベル・ペース・目標に合わせたオリジナルカリキュラムでレッスンしています。

関連記事

💬 まずは気軽にLINEで相談

「自分でも大丈夫?」「料金は?」など1問だけでもOK。
講師Kazが直接お答えします(24時間以内)

LINEで質問する(30秒)

▸ 無料カウンセリングのお問い合わせはこちら