譜面に「Dsus4」や「Cadd9」と書かれていて、どう押さえればいいのか、普通のDやCと何が違うのか迷ったことはありませんか? sus4とadd9は、J-POPの弾き語りからロック、バラードまで幅広く登場する、ギタリストにとってとても身近なコードです。
結論から言うと、①sus4は3度を4度に置き換えたコードで、「次に進みたい」緊張感をつくる ②add9はトライアドに9th(2度の音)を足したコードで、明るく澄んだ広がりを加える ③どちらもオープンコードから指を1本動かすだけで押さえられる形が多い——この3点が押さえどころです。
この記事では、sus4とadd9の仕組みから押さえ方、弾き語りでの使いどころ、よくある失敗までを、東京・新宿エリアでレッスンをしている現役プロ講師の視点で解説します。ルート・3度・5度の考え方があいまいな方は、先にコードの構成音の記事を読んでおくと理解がスムーズです。
sus4とadd9とは(役割と仕組み)
sus4=3度を4度に「つり上げた」コード
sus4(サスフォー)は、suspended 4th(サスペンデッド・フォース)の略です。メジャーコードやマイナーコードの性格を決める3度の音を抜き、代わりに4度の音を入れたコードを指します。
- C:C・E・G(ルート・長3度・5度)
- Csus4:C・F・G(ルート・4度・5度)
3度がないため、sus4はメジャーでもマイナーでもない、宙ぶらりんの響きになります。そして4度の音は半音下の3度へ戻りたがる性質があるため、Csus4 → Cのように元のコードへ戻ると「ほっと落ち着く」感覚が生まれます。この緊張から解決への流れこそが、sus4のいちばんの役割です。
なお、3度を2度に置き換えたコードはsus2と呼びます。Csus2はC・D・Gで、sus4ほど解決したがる感じはなく、浮遊感のあるすっきりとした響きです。
add9=トライアドに9thを「足した」コード
add9(アドナインス)は、トライアド(3和音)に9thの音を足したコードです。9thは2度の音(Cならレ=D)を1オクターブ上で鳴らしたものと考えてください。
- C(add9):C・E・G・D(ルート・長3度・5度・9th)
- Cm(add9):C・E♭・G・D(ルート・短3度・5度・9th)
sus4が3度を置き換えるのに対して、add9は3度を残したまま音を足すのが大きな違いです。コードの明るさ・暗さはそのままに、きらきらとした広がりが加わります。
また、C9のように数字だけが書かれている場合は7度を含むのが原則で、7度を入れずに9thだけを足すときに「add9」と書いて区別します。7度を含むテンションの仕組みはテンションコードの記事で詳しく解説しています。
ギターでの押さえ方と使い方
まず覚えたいsus4のフォーム
sus4はオープンコードで押さえやすい形が多く、元のコードから指を1本足すだけのものもあります(×は弾かない弦、0は開放弦)。
- Dsus4:4弦開放(D)・3弦2フレット(A)・2弦3フレット(D)・1弦3フレット(G)。6弦と5弦は×
- Asus4:5弦開放(A)・4弦2フレット(E)・3弦2フレット(A)・2弦3フレット(D)・1弦開放(E)。6弦は×
- Esus4:6弦開放(E)・5弦2フレット(B)・4弦2フレット(E)・3弦2フレット(A)・2弦と1弦は開放
- Csus4:5弦3フレット(C)・4弦3フレット(F)・3弦開放(G)・2弦1フレット(C)・1弦1フレット(F)。6弦は×
たとえばDsus4は、Dのコードで1弦2フレットを押さえている指を、1弦3フレットに移すだけ。Asus4も、Aのコードの2弦2フレットを2弦3フレットに変えるだけです。どの弦の音が3度→4度に変わったのかを意識しながら押さえると、仕組みが指で理解できます。
まず覚えたいadd9のフォーム
- Cadd9:5弦3フレット(C)・4弦2フレット(E)・3弦開放(G)・2弦3フレット(D)・1弦3フレット(G)。6弦は×
- Am(add9):5弦開放(A)・4弦2フレット(E)・3弦4フレット(B)・2弦1フレット(C)・1弦開放(E)。6弦は×
特にCadd9は、6弦3フレット・5弦2フレット・2弦3フレット・1弦3フレットで押さえるGのフォームから、2弦・1弦の指を残したまま低音側の2本を1弦ずつずらすだけで移れます。G → Cadd9の組み合わせは、アコースティックギターの弾き語りで非常によく使われる定番パターンです。
曲の中での使いどころ
- sus4 → 元のコード:Dsus4 → D、Asus4 → Aのように、1小節の中で行き来させると、ストロークに動きが生まれます。イントロやエンディングの定番アレンジです
- ドミナントでのsus4:Cキーの曲で、C に戻る直前のGをGsus4 → Gにすると、解決感がいっそう強まります
- add9で響きを広げる:バラードでCをCadd9に、AmをAm(add9)に置き換えると、同じ進行でも柔らかく洗練された雰囲気になります
コード進行そのものの考え方は、定番コード進行の記事もあわせて参考にしてください。
練習での活かし方
元のコードと弾き比べて耳を慣らす
sus4もadd9も、元のコードと交互に弾いて響きの違いを聴き比べるのがいちばんの近道です。D → Dsus4 → D、C → Cadd9 → Cのように弾き、「どの音が変わったか」「どんな印象になったか」を言葉にしてみてください。耳が慣れてくると、曲を聴いただけでsus4やadd9が使われている場所に気づけるようになります。
指の「付け外し」で動きをつくる
Dsus4 → Dの動きは、1弦をハンマリング・オンやプリング・オフでつなぐと、ストロークの中に自然なフレーズが生まれます。コードを押さえたまま指を1本だけ動かす練習は、左手の独立性を鍛えるトレーニングとしても効果的です。
好きな曲で1か所だけ置き換えてみる
弾き語りの曲で、サビ終わりのDをDsus4 → Dに、最後のCをCadd9に変えるなど、1曲に1〜2か所だけ置き換えてみましょう。原曲の雰囲気を壊さずに、自分らしいアレンジを加える第一歩になります。
よくある失敗と注意点
sus4を弾いたまま解決させない
sus4は「次に進みたい」コードなので、元のコードに戻らずに次へ進むと、落ち着かない印象が残ることがあります。もちろん意図的に解決させない使い方もありますが、慣れないうちはsus4の後は元のコードに戻ると覚えておくと失敗がありません。
add9の3度を抜いてしまう
add9を押さえるつもりで3度の音を省くと、響きはsus2と同じになってしまいます。add9らしい明るさは3度と9thが同時に鳴ることで生まれるので、3度の音がしっかり鳴っているかを確認しましょう。特にAm(add9)は3弦4フレットのストレッチがあるため、隣の弦に指が触れて音が消えていないか注意が必要です。
メロディとぶつかる
歌のメロディが3度の音を歌っている場面でsus4を鳴らすと、半音でぶつかって濁って聞こえることがあります。置き換えたら必ず歌やメロディと一緒に鳴らして確認する習慣をつけましょう。
よくある質問(FAQ)
sus4とsus2の違いは何ですか?
どちらも3度の音を抜いたコードですが、代わりに入れる音が違います。sus4は3度を4度に、sus2は3度を2度に置き換えたものです。Cの場合、Csus4はC・F・G、Csus2はC・D・Gになります。sus4は「次のコードへ進みたい」緊張感が強く、sus2は浮遊感のある、すっきりとした響きになります。
add9と9thコードは同じですか?
同じではありません。C(add9)はC・E・Gのトライアドに9thのDだけを足したコードで、7度は入りません。一方C9はC7に9thを足したコードで、B♭(短7度)が含まれます。add9は明るく澄んだ響き、C9はブルースやファンクのような粘りのある響きになるので、譜面の表記どおりに弾き分けましょう。
sus4やadd9は初心者でも押さえられますか?
押さえられます。Dsus4やAsus4はDやAのコードから指を1本足すだけ、Cadd9はGのコードから指を少し動かすだけで押さえられるなど、オープンコードで弾ける形が多いのが特徴です。むしろいつものコードとの違いが分かりやすいので、コードの仕組みを理解する入り口としてもおすすめです。
まとめ
sus4は3度を4度に置き換えたコードで、緊張から解決への流れをつくります。add9は3度を残したままトライアドに9thを足したコードで、明るく澄んだ広がりを加えます。「置き換える」のがsus、「足す」のがaddと覚えておくと、ほかのコード表記も読み解きやすくなります。
まずはDsus4・Asus4・Cadd9の3つを押さえ、元のコードと弾き比べてみてください。いつもの弾き語りに1か所取り入れるだけでも、演奏の印象はぐっと変わります。
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