ギターのヘッドに並ぶ巻き取り装置「ペグ(糸巻き)」。毎回のチューニングで必ず触るパーツですが、仕組みと正しい使い方を知るとチューニングの精度と安定性が大きく変わります。現役プロ講師が、ペグの仕組みから弦の正しい巻き方までやさしく解説します。
ペグとは(役割・仕組み)
ペグは弦の張力を調整して音程を決めるパーツです。内部にはウォームギアという歯車機構が入っており、ツマミを回す力を減速して伝えることで、細かい音程調整を可能にしています。ギア比(例:1:14、1:18など)が高いほど細かく調整できます。
アコギ・エレキで見た目は違っても基本構造は同じです。クラシックギターは弦を横向きに巻く専用ペグを使います。
正しい使い方:チューニングの基本
ペグ操作でもっとも大事な原則は「音程は下から合わせる」です。目標の音より低い状態から巻き上げて合わせることで、ギアの遊び(バックラッシュ)による緩みを防ぎ、チューニングが安定します。
高すぎた場合は、いったん目標より低くまで下げてから、あらためて巻き上げて合わせ直しましょう。
弦の正しい巻き方
チューニングの安定はペグへの弦の巻き方で決まると言っても過言ではありません。
① 弦をポストの穴に通し、適度なたるみを持たせる
② 1周目は弦の端の上、2周目以降は下に巻いて弦端を挟み込む
③ 巻き数の目安は6〜4弦で2〜3周、3〜1弦で3〜4周
④ 巻きが重ならないよう、下方向にきれいに揃えて巻く
巻き数が多すぎると弦の緩みしろが増えてチューニングが狂いやすくなり、少なすぎると弦が滑って外れることがあります。
よくある失敗と注意点
①弦を巻く方向の間違い:全弦、ヘッドの内側から外側へ向かって巻くのが基本です。
②ペグの回しすぎによる弦切れ:チューナーの表示をよく見て、どの弦を合わせているか確認しながら回しましょう。1オクターブ高く合わせてしまう事故が典型です。
③ツマミのガタつき放置:ツマミの根元のネジは緩むことがあります。定期的に軽く増し締めを。
よくある質問(FAQ)
Q. ペグはどちらに回せば音が上がりますか?
A. 一般的なギターでは、ヘッドを正面から見て6〜4弦側は反時計回り、3〜1弦側は時計回りで音が上がります。チューナーを見ながら少しずつ回して確認しましょう。
Q. チューニングがすぐ狂うのはペグのせいですか?
A. ペグ自体の不良は実は少なく、多くは弦の巻き方(巻き数不足・緩み)や新品弦の伸び、ナットの引っかかりが原因です。巻き方を見直すと改善することが多いです。
Q. ペグが固い・緩い場合はどうすればいいですか?
A. 多くのペグにはトルク調整ネジが付いており、ドライバーで締め加減を調整できます。改善しない場合は楽器店に相談してください。
まとめ
ペグは「回すだけ」のパーツに見えて、正しく使えばチューニング精度と安定性が確実に上がる重要パーツです。特に「下から合わせる」原則と正しい弦の巻き方は、今日からすぐ実践できます。当教室のレッスンでは、チューニングや弦交換のコツも初回から丁寧にお教えしています。

