※2026年8月7日時点の情報です。仕様・価格・発売時期は変更される場合があります。最新情報は必ずSquier公式サイト(Paranormal Series)でご確認ください。
フェンダーの弟分ブランドSquier(スクワイヤー)から、人気の「Paranormal(パラノーマル)」シリーズの2026年新モデルが発表されました。国内では2026年8月発売予定とアナウンスされています(ギター・マガジンWEB報)。
Paranormalは「実在しなかったフェンダー」を作るシリーズ。歴史上のモデル同士を掛け合わせた“if”の楽器を、手の届く価格帯で出してくるのが面白いところです。今回は5機種(ギター4本+ベース1本)。現役ギター講師の視点で、それぞれどんな音がして、どんな人に向くのかを整理します。
新Paranormalシリーズ 5機種の概要
ラインナップは以下の通りです。国内予定価格はギター・マガジンWEB掲載の数字を参考値として記載しています。
① Stratocaster Deluxe(国内予定価格 70,400円前後)
ストラトのボディに、ネック側はアルニコ・シングルコイル、ブリッジ側はアルニコ・ハムバッカーという組み合わせ。ブリッジはヴィンテージスタイルのトレモロ、指板はインディアンローレルの22フレット仕様です。
いわゆる「HSレイアウト」で、1本で守備範囲が広いのが強み。ネック側のシングルでクリーンのカッティング、ブリッジ側のハムで歪ませたリフやソロ、と役割を切り替えられます。5機種のなかでは最も素直で、1本目・2本目のエレキとして一番おすすめしやすい構成です。
② Troublemaker Telecaster Deluxe Bigsby(国内予定価格 81,400円前後)
テレキャスターのボディにアルニコ・ハムバッカー2基とBigsby B50ビブラートを搭載したモデル。ピックアップはコイルタップに対応し、ハムとシングル寄りのサウンドを切り替えられます。
Bigsbyは、ロック式トレモロのような大きなアーミングではなく、音程をゆるく揺らす“縦ノリの艶”を出すためのユニット。ロカビリー、カントリー、オルタナ系のコード弾きで、最後に軽く揺らすだけで一気に空気が変わります。テレの硬さとハムの太さが同居する、キャラの立った一本です。
③ Electric VI(国内予定価格 81,400円前後)
今回いちばんの変わり種。12弦の名機「Electric XII」のボディシルエットとコントロールプレートを受け継ぎながら、中身は6弦・24.75インチのショートスケールという設計です。ピックアップはスプリットコイル2基で、アウト・オブ・フェイズ(位相反転)サウンドも作れます。ブリッジはヴィンテージMustangタイプのフローティング・トレモロ。
名前が紛らわしいのですが、1960年代の6弦ベース「Bass VI」とは別物で、こちらは通常のギターチューニングで弾ける6弦ギターです。24.75インチはレスポールと同じ短めのスケールで、弦のテンションがゆるく、押さえやすいのが特徴。手が小さい方や、チョーキングを軽い力で決めたい方には相性が良いスケールです。
④ Baritone Jazzmaster HH(国内予定価格 73,700円前後)
ジャズマスターのオフセットボディに27インチのバリトン・スケールを組み合わせ、Fender Designed アルニコ・ハムバッカー2基を載せたモデル。ネックはサテン仕上げのCシェイプ、22フレット、パーロイドのブロックインレイ、ブリッジはアジャスト・O・マチックタイプです。
バリトンギターは、通常より長いスケールで4〜5半音低くチューニングして使う楽器(B〜Bなど)。「ドロップチューニングにすると弦がベロベロになる」という問題を、スケールを伸ばすことで解決しているわけです。重心の低いリフを鳴らしたいヘヴィ系はもちろん、クリーンで弾いたときの独特の“沈んだ艶”が映画音楽的で、宅録派にも面白い一本です。
⑤ Precision Bass Thinline SJ(ベース)
唯一のベース。シンラインのセミホロウ構造に、ネック側は’51スタイルのプレシジョン・シングル、ブリッジ側はジャズベース用ピックアップという「SJ」レイアウトです。プレベの太さとジャズベの輪郭を1本で行き来できる構成で、軽さも魅力です。
講師目線|どれを選ぶべきか
変わり種が並ぶシリーズなので、選び方だけははっきりさせておきたいところです。
- 1本目のエレキなら → Stratocaster Deluxe。教則本もレッスンも、まずは標準スケール・標準チューニングを前提に進みます。素直な楽器のほうが上達は早いです。
- 2本目・音のキャラが欲しいなら → Troublemaker Telecaster / Electric VI。すでに1本持っていて「同じ曲でも違う表情を出したい」段階の方に向きます。
- バリトンは“3本目以降”推奨。低いチューニング前提なので、通常のコードフォームやTAB譜がそのままでは使えません。目的がはっきりしている方向けです。
もう一点。バリトンやショートスケールは、弦のゲージ選びが音とプレイアビリティを左右します。27インチのバリトンには専用の太めのセット、24.75インチのショートスケールには少し太めを選ぶとテンション不足を補えます。「本体を買ったのに弾きにくい」の原因が、実は弦だったというケースは少なくありません。
また、ハムバッカー搭載機やバリトンはアンプ側のセッティングで印象が大きく変わります。低音が出る楽器ほど、アンプのBASSを上げすぎると輪郭が消えるので、まずはフラットから始めるのがおすすめです。
なお、価格・発売時期は流通状況により変動します。海外では9月以降の入荷とアナウンスしている販売店もあるため、購入検討時は必ず公式サイトと販売店の最新情報をご確認ください。
新しい1本を、ちゃんと鳴らせるように
楽器は「買った瞬間」がゴールではなく、その楽器の良さを引き出せて初めて“自分の1本”になります。当教室では、お持ちの機材に合わせた音作りやセッティングも含めて、完全マンツーマンでレッスンしています。初心者の方も、機材を増やし始めた経験者の方も歓迎です。

