ギターの指板に並ぶ金属の棒「フレット」。何気なく押さえている部分ですが、フレットは音の高さを正確に決めるための重要な仕組みです。この記事では現役プロ講師が、フレットの役割から数え方、練習での活かし方までやさしく解説します。

この記事の結論(3行まとめ)
① フレットは弦を区切って音の高さを一段ずつ決めるパーツ
② 数え方はヘッド側から1フレット、2フレット…と数える
③ フレットとポジションの関係が分かると譜面理解も演奏も一気に楽になる

フレットとは(役割・仕組み)

フレットは、指板(フィンガーボード)に埋め込まれた金属製の細い棒です。一般的なギターには20〜24本ほど打ち込まれています。役割は大きく2つあります。

音の高さを1段ずつ区切る:弦を押さえると、押さえた指ではなく「その少し先にあるフレット」で弦の振動する長さが決まります。隣のフレットに移ると音の高さは半音(半歩)ずつ変わります。
正確な音程を出しやすくする:フレットがあることで、多少押さえる位置がずれても同じ音が出ます。フレットのないバイオリンなどに比べ、ギターが初心者にも音程を取りやすいのはこの仕組みのおかげです。

弦を押さえるときのコツは、フレットの真上ではなく、すぐ手前(ヘッド寄り)を押さえること。フレットに近い位置を押さえるほど軽い力でクリアな音が出ます。逆にフレットから遠い(2つのフレットの真ん中あたり)を押さえると、音が詰まったり余計な力が必要になったりします。

フレットの素材には、多くのギターでニッケルシルバー(洋白)が使われています。近年は硬く摩耗に強いステンレスフレットを採用するモデルも増えてきました。素材による弾き心地の違いはありますが、初心者のうちは標準的なニッケルシルバーで十分です。

フレットの数え方

フレットはヘッド(糸巻き)に近い側から順に数えます。ナットのすぐ隣が「1フレット」、その次が「2フレット」…と、ボディに向かって数字が増えていきます。

たとえば「6弦3フレット」と言えば、一番太い弦を、ヘッドから3番目のフレットで押さえた音を指します。TAB譜(タブ譜)に書かれる数字も、このフレット番号のことです。数字の「0」は何も押さえない開放弦を表します。

目印として、多くのギターには3・5・7・9・12フレットあたりにポジションマーク(丸い点)が付いています。特に12フレットは開放弦のちょうど1オクターブ上の音になる基準点で、マークが2つ付くことが多い場所です。慣れないうちはこのマークを頼りに位置を把握すると迷いません。

練習での活かし方

フレットの数え方が身につくと、練習効率が大きく変わります。

コードやフレーズを覚えやすくなる:「4弦の2フレット」と番号で覚えれば、TAB譜やコードダイアグラムをそのまま指に置き換えられます。
同じ音を別の場所で探せる:ギターは同じ高さの音が複数のフレットに存在します。フレット番号で音を把握できると、弾きやすいポジションを自分で選べるようになります。
移調(キー変更)が楽になる:あるフレーズを2フレット分ずらせば、全体が1音(全音)高くなります。カポタストを使った移調の理解にもつながります。

たとえば6弦(一番太い弦)の開放は「ミ(E)」、そこから1フレットずつ上がるごとにファ・ファ♯…と半音ずつ上がり、12フレットで1オクターブ上の「ミ」に戻ります。この「12フレット=1オクターブ」の関係を知っておくと、指板全体の音の並びが規則的に見えてきます。

まずは「12フレットまでの各弦の音」を少しずつ覚えていくのがおすすめです。焦らず、よく使うローポジション(1〜5フレット付近)から始めましょう。

よくある失敗と注意点

フレットの真上を押さえてしまう:音が詰まったり「ビビリ」が出やすくなります。フレットのすぐ手前を狙いましょう。
押さえる力が強すぎる:フレットがあれば軽い力で十分に音が出ます。力みは指の疲労とテンポの乱れの原因です。
フレットの摩耗を放置する:長く弾いていると弦の当たる部分がすり減り、音がビビったり詰まったりします。「特定のフレットだけ音が伸びない」と感じたら、楽器店でフレットの状態を見てもらうと安心です(すり合わせや打ち替えといった調整で改善します)。

よくある質問(FAQ)

Q. フレットは何本あるのが普通ですか?

A. アコースティックギターは20フレット前後、エレキギターは21〜24フレットが一般的です。高音域まで弾きたい場合はフレット数の多いモデルが有利ですが、初心者のうちは本数の差を気にする必要はありません。

Q. TAB譜の数字はフレット番号のことですか?

A. はい。TAB譜の横線は弦を、数字は押さえるフレット番号を表します。「0」は開放弦(何も押さえない)です。フレットの数え方が分かればTAB譜はそのまま読めるようになります。

Q. フレットがすり減ったらどうなりますか?

A. 音のビビリや詰まり、チューニングの狂いが出やすくなります。使用頻度にもよりますが、気になる症状が出たらリペアで「すり合わせ」や「打ち替え」といった調整ができます。まずは楽器店で相談してみましょう。

まとめ

フレットは音の高さを正確に決め、初心者でも音程を取りやすくしてくれる縁の下の力持ちです。ヘッド側から1・2・3…と数えるルールと、ポジションマークの位置を覚えるだけで、TAB譜も演奏もぐっと分かりやすくなります。当教室のレッスンでも、指板の音の把握を生徒さんのペースに合わせて実践的にサポートしています。

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