「同じ時間ギターを練習しているのに、なぜあの人はどんどん上手くなって、自分は伸び悩むんだろう?」
ギターを教えていると、この疑問に行き着く人を本当によく見ます。結論から言うと、上達のスピードを分けるのは「才能」ではありません。 練習の「向き合い方」と「習慣」です。そして、その違いには明確なパターンがあります。
この記事では、初心者からプロ志望者まで、さらには紅白歌合戦に出場するアーティストやミリオンセラーを記録するアーティストまで指導してきた経験から見えてきた、「上達する人」と「しない人」の決定的な違いをお伝えします。
この記事を書いている人
Kaz Takayama|東京・西新宿でギター教室を主宰。紅白歌合戦出場アーティスト、ミリオンセラーアーティストへのギター指導経験を持つ現役プロギタリスト・講師。
プロのミュージシャンや他のギター講師までもが指導を受けに来る、指導専門のレッスンプロ。誰もが知るメジャーアーティストから、メディアで「日本を代表するギタリスト」と紹介されたこともある。
目次
- 上達を分けるのは「才能」ではない
- ギターが上達する人の5つの共通点
- ギターが上達しない人がハマる5つの落とし穴
- プロの現場で見た「伸びる人」の思考法
- 最短で上達するための練習設計
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|今日から変えられること
1. 上達を分けるのは「才能」ではない
「自分には音楽の才能がないから」——レッスンの場で何度も聞いてきた言葉です。でも、長年たくさんの生徒さんを見てきて断言できるのは、初心者の段階で「才能の差」が結果を決めることはほとんどないということです。
最初に大きな差を生むのは、もっと地味で、もっとコントロール可能なものです。それは「練習の質」と「続け方」。ここを変えるだけで、多くの人が「伸び悩み」から抜け出します。
逆に言えば、この記事で紹介するポイントは、才能に関係なく誰でも今日から実践できるということです。
2. ギターが上達する人の5つの共通点

① 「短くても毎日」触れている
上達する人は、1回3時間を週1回やるより、1日15分でも毎日ギターに触れています。指の動きや感覚は「忘れる前に上書きする」ことで定着します。間隔が空くほど、毎回ゼロに近いところからのスタートになってしまいます。
② 目標が「具体的」
「上手くなりたい」ではなく、「3ヶ月後にこの曲を人前で弾く」のように、ゴールが具体的です。具体的な目標があると、今日の15分で何をすべきかが自動的に決まります。
③ 自分の演奏を「録音・録画」してチェックする
上達する人は、自分の演奏をスマホで録音して客観的に聴いています。弾いている最中の自分の耳は、驚くほどアテになりません。 録音すると「走っている」「音が切れている」など、課題が一瞬で見えます。
さらにおすすめなのが 動画撮影 です。ギターを弾くとき、私たちは常に自分の手を“上から”見ています。でも、正面から撮った動画を見ると、自分が思っている動きと、実際の動きが違うことがよくあります。フォームの崩れや余計な力みは、正面からの映像でこそ気づけるもの。動画でのフォーム確認は、上達にとても役立ちます。
しかも、定期的に撮っておくと 上達の記録 になります。数ヶ月後に見返すと「こんなに変わったんだ」と成長を実感でき、練習のモチベーションにもつながります。練習のときは、ぜひ録音だけでなく正面からの動画撮影も習慣にしてみてください。
④ 「基礎」を飛ばさない
派手なフレーズに飛びつく前に、クロマチック、コードチェンジ、リズムキープといった基礎を地道にやります。基礎は退屈ですが、ここを飛ばした人ほど後で必ず壁にぶつかります。
特に怖いのが、基礎をおろそかにして 間違ったフォームや変な癖が身についてしまうこと。一度ついた癖は、後から直すのが本当に大変で、上達の大きな妨げになります。だからこそ、初心者の段階こそ、プロに見てもらう価値がいちばん大きいのです。最初に正しい基礎とフォームを身につけておけば、その後の伸び方がまったく違ってきます。
⑤ 「人前で弾く」機会を作っている
ライブや発表会のような大きな場でなくても大丈夫。家族や友人にちょっと聴いてもらうだけでも、とても効果があります。 「人に聴いてもらう」と決めた瞬間、練習の質は一変します。締め切り効果で集中力が上がり、本番(たとえ家族の前でも)を経験するたびに大きく伸びていきます。まずは身近な人の前で1曲、を目標にしてみましょう。
3. ギターが上達しない人がハマる5つの落とし穴

① 完璧主義で「曲を最後まで弾かない」
冒頭だけを何百回も弾いて、曲を通して弾いたことがない——これは伸び悩む人の典型です。多少ミスしても最後まで通すほうが、曲の全体像と構成力が身につきます。
② 今のレベルに対して「難しすぎる曲」ばかり選ぶ
憧れの難曲に挑むのは素晴らしいことですが、難しすぎる曲だけだと挫折します。「ちょっと頑張れば弾ける曲」を積み重ねた人のほうが、結果的に早く難曲にも届きます。
③ フォームを軽視する
握り方、ピッキング、姿勢。最初に変な癖がつくと、上達するほど直すのが大変になります。初心者こそ、最初に正しいフォームを身につける価値が大きいのです。
④ 練習が「なんとなく」になっている
ただ好きなフレーズを弾いて満足して終わる——これは「練習」ではなく「演奏」です。「今日はここを直す」という意図のある時間を、短くてもいいので持つこと。
⑤ 独学だけで「変な癖」に気づけない
独学が悪いわけではありません。ただ、自分では気づけない癖は必ずあります。第三者(特にプロ)に一度見てもらうだけで、何ヶ月分もの遠回りを防げることがよくあります。
4. プロの現場で見た「伸びる人」の思考法
プロのアーティストやプロ志望者を指導してきて、トップレベルで伸びる人に共通していたのは、技術以前の「思考のクセ」でした。
「できない」を分解する
伸びる人は「このフレーズが弾けない」で止まりません。「左手の移動が遅いのか」「右手のピッキングがズレているのか」「そもそもリズムを取れていないのか」と原因を分解します。問題を小さく切り分けられる人ほど、解決も速いのです。
「ゆっくり正確に」を恐れない
焦って速く弾こうとして、雑なまま固めてしまう——これが一番もったいない。伸びる人はテンポを落とし、正確に弾けるところから少しずつ上げます。 「ゆっくり正確に」は遠回りに見えて最短ルートです。
上手い人の「真似」がうまい
オリジナリティは大事ですが、最初は徹底的に真似ることから始まります。伸びる人は、憧れのプレイヤーの音・フレーズ・間の取り方を「観察」して盗むのが上手いです。
プロの現場では「3年で人前に立てるか」が一つの目安になります。私が指導してきた中で、その期間で大きく伸びた人は、例外なくこの「分解する・ゆっくり正確に・上手く真似る」を自然にやっていました。才能ではなく、再現できる思考法です。
5. 最短で上達するための練習設計

ここまでを踏まえて、具体的な練習の組み立て方をまとめます。1回の練習を3つのブロックに分けるのがおすすめです。
| ブロック | 時間の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| ① ウォームアップ・基礎 | 全体の2〜3割 | 指慣らし、コードチェンジ、リズム |
| ② 課題曲(今の目標) | 全体の5割 | 「ちょっと頑張れば弾ける曲」を録音しながら |
| ③ 楽しむ時間 | 残り | 好きな曲を自由に。継続のモチベーション維持 |
ポイントは、②で必ず録音することと、③の「楽しむ時間」を削らないこと。①②だけにすると練習が苦行になり、続きません。続けられる設計こそが最大の上達法です。
6. よくある質問(FAQ)
Q. ギターは何ヶ月で弾けるようになりますか?
A. 簡単な曲を1曲通して弾けるレベルなら、正しい練習を続ければ2〜3ヶ月が目安です。ただし「何を弾けるようになりたいか」で大きく変わります。
Q. 1日どのくらい練習すればいいですか?
A. 時間より頻度が大切です。1日15〜30分を毎日のほうが、週末にまとめて数時間やるより効果的です。
Q. 独学とレッスン、どちらがいいですか?
A. 独学でも上達は可能ですが、フォームや癖の修正は自分では気づきにくい部分です。最初の数ヶ月だけでもプロに見てもらうと、その後の遠回りを大きく減らせます。
Q. 大人から始めても上達しますか?
A. もちろんです。むしろ大人は「目標を具体化する」「客観的に自分を見る」といった、上達に必要な思考が得意な傾向があります。年齢は障害になりません。
Q. 伸び悩んでいます。どうすればいいですか?
A. まず自分の演奏を録音して聴くことをおすすめします。それでも原因が分からなければ、一度プロに見てもらうのが近道です。多くの場合、本人が気づいていない小さな癖が原因です。
7. まとめ|今日から変えられること
ギターの上達を分けるのは、才能ではなく「練習の質」と「続け方」です。今日から変えられることを3つだけ挙げるなら:
① 短くても毎日触れる
② 自分の演奏を録音して聴く
③ 「ちょっと頑張れば弾ける曲」を最後まで弾く
この3つを意識するだけで、多くの人が「伸び悩み」から抜け出します。そして、もし「自分の癖を一度プロに見てほしい」「最短で上達する練習設計を一緒に作ってほしい」と感じたら、そのときはお気軽にご相談ください。
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この記事は、現役プロギタリスト・講師としての指導経験に基づいて作成しています。上達のペースには個人差があります。


